気を散らすノート

色々と散った気をまとめておくところ.論文読んだり自分で遊んだりする.たぶん.

TIL: 気体の連続的な濃度測定には赤外線が便利

気体,例えば二酸化炭素,が今問題になっている気体のなかにどれだけ入っているかをできるだけ連続的に,即座に,精確に測定したい.

ふつうの実験から,環境計測,工場のモニタリング,病院での呼吸の監視などまで様々な目的で様々な機材がこの目的を達成している.気体の濃度測定といえば理科の実験で使うこともある気体検知管(amazon:アフェリエイトじゃないよ)が有名だがあれはじっくり時間がかかる.連続的に測るのなんてどうやってるんだろう,化学的にやるのは難しそうだよねと思って調べるのをサボっていたのを今日調べた.

結論から言うと,基本的には各気体が特定波長の光を吸収するのを利用して,赤外域の適切な光をサンプルに当てて吸収の度合いを測定して濃度を定量するという仕組みが採用されているようだ. cf. enwp:Infrared gas analyzer.

概念としては結構古く,少なくとも 1949年の論文1 で紹介されているが,当時は必要な気体も多く,また赤外線の detector の反応速度の問題で時間分解能も悪いなど,「これから」のテクノロジという雰囲気.時代を下って 1974年の特許2とかはだいぶ実用的な雰囲気になって,1978年の論文3では 2µl/l とかでも測定できたでみたいな話になっている.

調べていくと堀場製作所が結構このジャンルを発展させたようで, patent US4336453A で複数分画をいっぺんに測定とかやってるみたい.ホームページで公開されている 赤外線ガス分析計の開発 というこの特許の筆頭著者による読み物が時代背景を含めていて結構おもしろい.

そのほか原理については環境省の環境大気常時監視マニュアル とかにも記述がある.

雑然とした調べものになってしまったが,色んな分野から論文が出てて結構面白かったです(小並感).


  1. Richard C. Fowler (1949). A Rapid Infra‐Red Gas Analyzer. Review of Scientific Instruments, 20, 175-178. URL. 当時の他の気体濃度測定方法についても概説してあって参考になる.

  2. US3939348A

  3. Clegg, M. D., Sullivan, C. Y., & Eastin, J. D. (1978). A sensitive technique for the rapid measurement of carbon dioxide concentrations. Plant physiology, 62(6), 924-926. URL.