気を散らすノート

色々と散った気をまとめておくところ.論文読んだり自分で遊んだりする.たぶん.

技術系 advent calendar のはなし

この記事は,自分 advent calendar の 1日めの記事です(,ということになるかもしれません).

流石に用意ができてなさすぎる上にネタがないので特に今年は参加を考えていなかったのですが,親切な友人が唆してくれたのでもし続けば書こうかと思います. 今日は昨日今日と某学会の手伝いをしていたのでさらに準備がなく,安直に advent calendar の話.

発祥

実は数年先を越されており, 日本における技術系アドベントカレンダーの歴史 - yhara.jp という記事があるのです.ともかく英語圏 Perl コミュニティが最初であったのは間違いなさそう.2000年 が初回 で,いろんなモジュールを短く紹介する形式のものであったようです.about を読むと,今年はチョコレート禁をしてて甘いものが出てくるアドベントカレンダーを楽しめないから,お酒のんだ翌日のテンションで作っちゃったよ,ということのようす.調べた限りでは日本でも perl コミュニティが2008年に最初に行ったようで,http://perl-users.jp は現在繋がらないが github にホストされたものが残っています.

日本での受容

その後この風習は各コミュニティに受け入れられるとともに大規模(・玉石混淆)化していくわけだが,その過程が今ひとつ詳らかにできていません.

2010年には gihyo.jp が記事にしています (本日12月1日より,プログラマ有志による技術系Advent Calendarが各所ではじまる - gihyo.jp).このとき規模は Perl が圧倒しており, JPerl で 6トラックあったんですねえ.Ruby も2本,Haskellemacs, coq に SKK など賑やか.この頃は Adventar や Qiita のように AC に対応したサービスがなく,もっぱら ATND のようなイベント企画サービスで参加人数を25人にしてコメント欄で URL を記載していったのも懐かしい.

我らが Vim2011年 が初出で,翌 2012年 に始まった VAC 2012 は 2013年11月30日まで続くという偉業 を成し遂げたのでした. Vim girl が描かれたり,vim が喋ったり,脱出ゲームができたりしたのもこの年.翌年以降は流石に延長はなくなったものの,複数トラックになったりして続いています.

先に述べた Adventar は 2012年に42本のカレンダーを擁して始まり,qiita の初対応は 2011年…だけど Backbone.js 1本だけというのはちょっと特殊な事情の存在が想定され,これも実質2012年スタート.いずれも翌年には本数を大きく伸ばしているので,実質2011年頃に一般化した風習が翌年にはサービスとなり,2013年以降に爆発的に広がっていったと見るのが妥当ではと思います.

一方知る限りでは英語圏コミュニティにはこのようなお祭り感はなく,数年おきに個人が 24 days of 〇〇 と題した質の良いシリーズものをやっている印象.例えば24 Days of Hackage 2012 (Haskell), 24 Days of GHC Extensions: (Haskell, 2014年), 24 days of Rust (2014年).僕のおすすめ Advent of Code もこの範疇.観測範囲が広くないのでなんとも言えないが,例外的に Vim では 2018年に Vimways という類似の企画が行われています.

今年の注目

  • Advent of Code --- 以前 Advent Calendar 紹介 Advent Calendar で紹介したことがあります.毎日1個チャレンジが投稿されるのだが,今年も続いています.問題設定にストーリーがあって読んでて楽しいのと,題材が幅広いのがお勧めポイント.解くと絵柄が綺麗に色がついてモチベーションにもなります(なお,年末なんやかんや忙しくこれまでわたくしは完走に至っていない模様.今年は rust でじわっとやりたい).
  • Vim
  • Rust
  • TeX
  • 自然言語処理 Advent Calendar 2019 , バイオインフォマティクス Advent Calendar 2019.個人的にジャンルに興味があるのもそうなのですが,プログラミング界隈から染み出したこういうところの面白いの拾っていけるといいなあと思ってます.
  • (正直まだ探しきれてないのでおすすめ教えてください.自分はあんまり relate できないけど,本番環境でやらかしちゃった人 Advent Calendar 2019 は確かに面白いしためになりそう.)

多分2013-5年くらいで一気に規模の大きくなった日本の AC 界隈ですが,正直何が我々の琴線に触れてこうなったのかよくわかりません.ここ数年ほどにまで量が増えると,逆にジャンルごとにちょっとした treat を毎日ちょっとずつ味わう楽しみが薄れてきてる気がしてちょっと残念,昔を回顧する気持ちにもなるのですが(いいやつを掘りに行かなくても入ってくるのが個人的に好きなところの一つだった),それはそれ,少なくとも活気があるのは良いことだと思います.ただし「何か書く」とだけ登録して何も書かないお前,テメーはダメだ.

今日この安直な記事を書くのに1時間かかってるので正直毎日更新無理やと思う