気を散らすノート

色々と散った気をまとめておくところ.論文読んだり自分で遊んだりする.たぶん.

Arch (manjaro) で Haskell 環境を作り直す (ld.lld: error)

…ときに色々詰まったのでメモ.最近は関連ツールも充実していて,基本的には引っかかるところはないと思うのだが,多分 arch 独自の引っかかりポイントとかがあり少しだけ手間がかかった.以前なら stack だけでインストールしていたのだけれど,なんか自分で適宜最近の ghc のバージョン見たりよしなに resolver を選んだりとか色々めんどくさいなーという感じとか,stack に cabal に language server にとそれぞれ多層に管理するのわけわからんくなるなとも思ったのとか,一度試しておくかというので,今回は流行りっぽい ghcup を使った.

このタイミングでの作り直しは開発環境に関するこの記事(Haskell に IDE はないのか?──独断と偏見による Haskell の IDE 十年史)を読んで触発されたというのもある.元々 Haskell は 2015-6年頃までが一番良く触っていて,その後そもそもコードを書くことが減ったのと,ちょうどこの記事にも書かれている ghc-mod が止まって, haskell-ide-engine がうまく動かない(ガンガンメモリを食って動かなかったり いろいろうまく行かなかった)時期と重なっていた.当時は vim で lsp を扱うプラグイン類も過渡期にあって,ghcmod-vimneco-ghc でハッピーだった時代が終わり始め,かと行って新しい環境への以降もうまく行かず,コードを書く機会が少ない→環境設定に関するトラブルシュートが下手になる→ますますめんどくさい,などもあって,書くなら rust というふうに移っていった.(この辺のツール周りは rust が本当に親切だとおもう.)

$ pacman -Qs haskell とかで色々インストールされていた(少し前に pandoc インストールしたときのかも)のはややこしくなりそうなので消しておいて,とりあえず指示通りに

$ curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://get-ghcup.haskell.org | sh

して少ない質問項目に答えていく..bashrcAppend してもらい,ghc, cabal, stack, hls までインストールしてもらう.さらにおすすめに従って,

$ stack config set system-ghc  true  --global; stack config set install-ghc false --global

で,stack さんには ghcup で入った ghc を尊重してもらうことにする.

stack new して stack build を試みるとこんな感じで

Linking /home/kagcc/.stack/setup-exe-cache/x86_64-linux/tmp-Cabal-simple_mPHDZzAJ_3.2.1.0_ghc-8.10.7 ...
ld.lld: error: can't create dynamic relocation R_X86_64_32 against local symbol in readonly segment; recompile object files with -fPIC or pass '-Wl,-z,notext' to allow text relocations in the output
>>> defined in /home/kagcc/.stack/setup-exe-src/setup-mPHDZzAJ.o
>>> referenced by /home/kagcc/.stack/setup-exe-src/setup-mPHDZzAJ.o:(.text+0x44)

大量のエラーが出てしまう.cabal init; cabal build でも同様.調べた範囲で関連するのは stack に関する stackoverflow の これ や ghcup の issue のこれ

とりあえず,ghcup の方を見て ~/.cabal/config

program-default-options
  ghc-options: -optc-no-pie -optl-no-pie

を追記するととりあえずcabal によるコンパイル自体は通るようになる. stack の方は --ghc-options= で渡そうとしたがなぜだか効果なし(ちょっと調べたら調べが付きそうだが…).-fPIC で再コンパイルを試せと言われても,ghcup さんに任せたところだから変な手出しはややこしくなるだけの気配.

stackoverflow の方でリンクされている stack の方の FAQ を見ると,GHC がお使いの (C) コンパイラ-no-pie に対応してないと思い込んでるというようなことで,ghcup で入れた今回だと ~/.ghcup/ghc/8.10.7/lib/ghc-8.10.7/settings

("C compiler supports -no-pie", "NO")

というくだりがあるので,これを YES に書き換えると解決する.これで ~/.cabal/config のオプションは多分消して大丈夫.

Arch(したがってmanjaro)では haskell 周りもできるだけ動的リンクにしようとするが GHC などがそれが得意でないので色々ややこしいという情報が散見されて調査に要らん手間を掛けてしまったが,一晩寝ると結局最初に引っかかるページに書いてあるのそのままで良かったという案件.ただ,これは多分 ghcup で ghc を入れ替えるたびに書き換えが必要になるので,もう少し抜本的に解決できるといいと思うのだが,そこまでは調査が及ばず.

ちなみに, haskell-language-server についてもはじめ動かなくて一瞬発狂していたが,古いバージョンが ~/.local/bin に残っていただけだった.環境をきれいにしてから取り組むの大事.

エンドユーザ(僕)向け 2020年からの vim の更新キャッチアップ

h-east さんが月々のパッチのダイジェストを作ってくださっており,その中からエンドユーザ…というか,.vimrc を一から作り直すときに頭に入れとくと便利かもなと思ったあたりを抜書しました.

だんだんなんで入ってるのかわからない設定とか昔々の誤解がそのまま残ってるのとかが出てくるので,定期的に書き直すのもわるくはないです(git で管理してるので,ブランチ切ってアグレッシブに整理して,しばらく使ってマージみたいなことをしている)

2020年1月

2020年2月

2020年3月

2020年4月

2020年5月

2020年6月

2020年7月

2020年8月

2020年9月

2020年10月

2020年11月

2020年12月

2021年1月

2021年2月

2021年3月

2021年4月

2021年5月

以上

直近では vim9 script が盛り上がってる感じですね.

頭部 MRI を撮る時,重力で脳の形は変わってるのでは?

普通仰臥位でだけ撮るので,下向きにへしゃげるのでは???……という素朴な疑問にいくつか調べたこと.


脳は柔らかい

脳と重力に関連しては,血腫とかの話題と,無(低)重力にしばらくさらされる宇宙飛行士の脳の変化とかの話は時々引っかかる一方,ふつうの脳がどのくらい重力でひしゃげるかという情報は確かになかなか見当たりづらい.生体脳の柔らかさ自体は,とくに開頭術の文脈で興味を持たれており,音波と MRI を組み合わせた測定方法(Kruse, S. A., Rose, G. H., Glaser, K. J., Manduca, A., Felmlee, J. P., Jack, C. R., & Ehman, R. L. (2008). Magnetic resonance elastography of the brain. NeuroImage, 39(1), 231–237. https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2007.08.030 )等も行われており,実際かなり柔らかい.

具体的な脳の弾性率Eとしてはだいたい 10kPa のオーダで報告されているようで(Morin, F., Chabanas, M., Courtecuisse, H., & Payan, Y. (2017). Biomechanical Modeling of Brain Soft Tissues for Medical Applications. In Biomechanics of Living Organs (pp. 127–146). Elsevier. https://doi.org/10.1016/B978-0-12-804009-6.00006-7), 豆腐についての(脳と弾性が近いらしいというので豆腐のを測ってみた,というなんだかほのぼのした) 報告(堀川彬夫, & 土井章男. (2003). 脳の弾性モデルに対するヤング率の推定. 電気関係学会東北支部連合大会実行委員会. https://doi.org/10.11528/tsjc.2003.0.381.0)が案外ちゃんと良い線いってるようす.豆腐については超音波エコー的にも,脳含めた軟部組織とそこそこ近いかもしれないという噂もあるみたいで,案外バカにならないのだった(Wu, J. (2001). Tofu as a tissue-mimicking material. Ultrasound in Medicine & Biology, 27(9), 1297–1300. https://doi.org/10.1016/S0301-5629(01)00424-0).)

脳画像撮影のときに気にするべきか?

見当たる報告はこのあたり(いずれも流し読み).

  • image-guided surgery の文脈で重力の影響を調べた報告(脱水でも脳室容積変わるよねみたいな話があり面白い)Schnaudigel, S., Preul, C., Ugur, T., Mentzel, H. J., Witte, O. W., Tittgemeyer, M., & Hagemann, G. (2010). Positional brain deformation visualized with magnetic resonance morphometry. Neurosurgery, 66(2), 376–384; discussion 384. https://doi.org/10.1227/01.NEU.0000363704.74450.B4 は,自称ではこの手の評価としては初めてとのことだが,13人の被験者に4方向でMRIを撮らせてもらい, 前後方向では1mm前後のズレがあり,左右方向ではよりズレが大きいこと,大脳鎌などは直感通り,脳ひっかかりとして場所を固定するように機能していそうなこと等も報告されている.
  • 頭部外傷の機転の理解をモチベーションに,健常被験者30名に4つの体位でMRIを取らせてもらった報告(Monea, A. G., Verpoest, I., Vander Sloten, J., Van der Perre, G., Goffin, J., & Depreitere, B. (2012). Assessment of Relative Brain-Skull Motion in Quasistatic Circumstances by Magnetic Resonance Imaging. Journal of Neurotrauma, 29(13), 2305–2317. https://doi.org/10.1089/neu.2011.2271)では,脳実質と頭蓋骨の間で測って数mm~10mm程度までのずれがあるとされている(タイトルの quasistatic というのは,その体勢でじっとしてもらって,系に重力のみがかかっているような状態を指すと説明されてる).流し読みのままで適当なことをいうと,多分上の [Schnaudigel et al. 2010.] が多分脳自身に対する変位を見ているのに対してこちらは頭蓋を基準にしているのでずれが大きく出てそうに読める.
  • また関連して,仰臥位と腹臥位で後頭部の脳と頭蓋の間の脳脊髄液の層が3割ほど薄くなるため,脳波を測る際に後頭部優位律動の振幅が数倍異なって見えるという報告があって(Rice, J. K., Rorden, C., Little, J. S., & Parra, L. C. (2013). Subject position affects EEG magnitudes. NeuroImage, 64, 476–484. https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2012.09.041),これは今回の疑問に結構具体的なイメージを与えてくれる.

最近では慶應大が座位で撮れる CT を作って遊んでいる面白いことをやっているようで(歴史的には古くから発想はあったものの,CT が十分速く撮れるようになるのを待つ必要があったようなことも書いてある)

…というわけで,(1) 少なくとも数 mm 分は重力によって形が変わるっぽい,(2) 脳脊髄液の居場所にはもう少し影響がありそう,…というような話.あんまり radiology の文脈での文献が見当たらなかったのだが,実際パッと見た印象が実は重力で歪められてるみたいなことはないのだろうか.全部仰臥位なので,特に比較のときに間違うことはない(どれも同じ条件のため),とは思うけれども.

Zotero と テキストエディタ でそれっぽい markdown を書く

これまで文献管理は LaTeX での文書作成を前提に (1) PDF はフォルダを適当に階層化した google drive に全部突っ込む, (2) その調べ物毎に関連する PDF 置いとくようのサブフォルダを作る, (3) bibliography は .bib を作って,引用する時に google scholar とか使って引っ張ってきてそこに突っ込む, (4) \cite(...) は気合で頑張る みたいな運用をしていた.…んだけどこの度ようやく文明こと citation manager, 具体的には Zotero を導入した.

超便利でいいんだけど,基本的には word / libreoffice, いいとこ LaTeX と共同するのが主眼で,plain text とか markdown を扱うエディタとの連携は「これさえ入れたらOK」みたいにはなってないので色々試すメモ.便利さについては,検索,タグ付け,ノート作れる,ひとつのファイルを複数の collection (ディレクトリ的な感じ)に入れられるので整理が捗りやすい,などいろいろある.Mendeley じゃなくて zotero にしたのは open source を全面に出してるからで,正直自分のユースケースには Mendeley のほうが合ってるかもしれない.書き足していきます

better bibtex for zotero と pandoc でなんとかする

better bibtex for zotero の(めっちゃ薄くて使えない)解説 を参考に

better bibtex

基本的には, (1) 外部に (.bib や csl json/yaml の形式で)ライブラリをエクスポートして適宜アップデートしてくれる (2) cite 用のキーを自動で作ってくれる (3) エクスポートした文献リストと実際に使われた cite から,文書としての bibliography を作るのは他ツールに任せる,という仕組みで(たぶん), (1) と (2), および外部との連携をよしなにやってくれるものっぽい.

f:id:lesguillemets:20210218015059p:plain
export

こうして export を選択して,お好みのフォーマットを選び(Pandoc と使うときは csl のどれかが良いっぽい)

f:id:lesguillemets:20210218015426p:plain
zotero 全体の設定の中にある

↑設定を確認,on change でアップデートしてくれるようにして,Ctrl+Shift+C でこれがコピーされるように設定する.

f:id:lesguillemets:20210218015931p:plain
Better BibTeX Citation Key Quick Copy

ここに Better CSL JSON とか Better BibTeX とかも選択肢に出てくるが,多分この項の一番上のように export したやつを使う場合は Citation key quick copy 一択ということのように思われる.

なお,同じ仕掛けで \cite{citekey} とか [@citekey] とか Ctrl+Shift+C でコピーされるフォーマットを選ぶことができ,これはめっちゃ分かりづらいが zotero の設定の中の better bibtex の設定に有る f:id:lesguillemets:20220227133333j:plain

Pandoc

たとえばこんな文書.さっき Collection は my_library.yaml にエクスポートしたとする.

---
title: Nicer Document
bibliography: my_library.yaml
---

## 文章です

そうなんですよねー[@petryInternationalConsensusAssessing2014].
こっちもですね[@aarsethScholarsOpenDebate2017].

$ pandoc -s --citeproc --csl=/home/lesguillemets/Zotero/styles/vancouver.csl --to plain a.md

Nicer Document

文章です

そうなんですよねー(1). こっちもですね(2).

1. Petry NM, Rehbein F, Gentile DA, Lemmens JS, Rumpf H-J, Mößle T, et
al. An international consensus for assessing internet gaming disorder
using the new DSM-5 approach: Internet gaming disorder. Addiction
[Internet]. 2014 Sep [cited 2021 Feb 12];109(9):1399–406. Available
from: http://doi.wiley.com/10.1111/add.12457

2. Aarseth E, Bean AM, Boonen H, Colder Carras M, Coulson M, Das D, et
al. Scholars’ open debate paper on the World Health Organization ICD-11
Gaming Disorder proposal. Journal of Behavioral Addictions [Internet].
2017 Sep [cited 2021 Feb 16];6(3):267–70. Available from:
https://akjournals.com/doi/10.1556/2006.5.2016.088

さらに a.md のヘッダに link-citations: true を加えた上で処理すると下のようにリンクがつく

$ pandoc -s --citeproc --csl=/home/me/Zotero/styles/vancouver.csl --to commonmark a.md

# 文章です

そうなんですよねー([1](#ref-petryInternationalConsensusAssessing2014)).
こっちもですね([2](#ref-aarsethScholarsOpenDebate2017)).

<div id="refs" class="references csl-bib-body">

<div id="ref-petryInternationalConsensusAssessing2014"
class="csl-entry">

<span class="csl-left-margin">1. </span><span
class="csl-right-inline">Petry NM, Rehbein F, Gentile DA, Lemmens JS,
Rumpf H-J, Mößle T, et al. An international consensus for assessing
internet gaming disorder using the new DSM-5 approach: Internet gaming
disorder. Addiction \[Internet\]. 2014 Sep \[cited 2021 Feb
12\];109(9):1399–406. Available from:
<http://doi.wiley.com/10.1111/add.12457></span>

</div>

<div id="ref-aarsethScholarsOpenDebate2017" class="csl-entry">

<span class="csl-left-margin">2. </span><span
class="csl-right-inline">Aarseth E, Bean AM, Boonen H, Colder Carras M,
Coulson M, Das D, et al. Scholars’ open debate paper on the World Health
Organization ICD-11 Gaming Disorder proposal. Journal of Behavioral
Addictions \[Internet\]. 2017 Sep \[cited 2021 Feb 16\];6(3):267–70.
Available from:
<https://akjournals.com/doi/10.1556/2006.5.2016.088></span>

</div>

</div>

ブログで使うならこれで,css で div.referenesdiv.csl-entry をいじるのが簡便かなあと思ったりする.

あと https://retorque.re/zotero-better-bibtex/exporting/pandoc/ に載ってる lua filter の存在意義がちょっとまだわからずといったところ.

エディタ連携としては better-bibtex のページ に色々書いてあるが,自分のちょっと触ったところでは(文献情報見ながら引っ張ってくると思うので)ひとまずは zotero 上の quick quick copy でいいかなあ.

RTF scan?

上記でも微妙にほしいのとは違っているところもある気がする,,多分 RTF scan と citation style をいじるのとの組み合わせが一番自分にあってそうなんだがそれは後日.

2020年に聴いた音楽

あけましておめでとうございます.

年末は色々と忙しく,年末にふさわしい (advent of code はちょっとやったけど)まとめ記事みたいなのも書く時間を取れなかった.昨年の「今年買ってよかったもの」は振り返っても記事にはならなさそうだが,昨年はこれまでの中ではかなり自分から音楽を探しに行った年だったな,というのと,ある時点でどんな(例えば)音楽を聴いていたかっていうのはあとから復元しづらいので,定期的に記録するのも楽しそうと思ってまとめることにする.

なお,どれも official な動画が youtube に挙がっていたので(youtubeamazon music で曲を探しているのでそうなりがち),プレイリストにしました

Youtube の再生履歴とか色々遡ると,2020年よりちょっと前から Twenty One PilotsIslandis はよく聴いていたらしい.(後者はオーストラリアの人たちらしい以外にあまり情報がなく,どうやって辿り着いたのか謎,Portugal. The Man 経由?)

というわけで2020年に新しく見つけてよく聴いた音楽たちです.

Skinny Lister

イギリスはロンドンあたりの自称 Folk-Punk のバンドで,全体には賑やかな曲が多くてそれもよい.突然何かにそそのかされて CD 買った.昨年見つけられて良かったグループひとつめ.もう一曲挙げるなら Trouble On Oxford Street.

The Decemberists

アメリカはポートランドのバンド,indie rock と言われたり folk-rock みたいな評があったり.ずっと聴いてたけどやはりいかにも自分が好きそうな感じがする,昨年見つけられてよかったグループ2つめ.ボーカルのひとが以前にやっていた Tarkio というバンドの,たとえば Sister Nebraska も同系統の良さがある.

Weezer

ロサンゼルスのバンドで Alternative rock と言われることが多いようだ.微妙に影のある感じが好きで,昨年見つけられてよかったグループの3つめ.もう一曲挙げるなら Photograph あたりでしょうか.

Mamas Gun

同名のアルバムがあるがイギリスのバンド.何回か聴いてるうちにだんだん好きになってきた感がある.もう一曲挙げるならOn a String.

色々

Rayland Baxter

テネシーの歌うたいとのこと.

Jack Johnson

Covid-19 に関連した One World: Together At Home の放送で知ったやつ.これもいかにも僕が好きそうで,実際好きなのだが,2011年に映画 を見て知った Alexi Murdoch ( All My Days: youtube ) が好きなのと似た好きさを感じる.

Milky Chance - Stolen Dance

Milky Chance 自体はドイツの歌うたいらしい.これも Together At Home で流れてたやつだが,自分でも好きなのかどうかよくわからないがなんか気になって何回も聴いてた的なやつ.

Manceau - Full Time Job

Manceau はフランスのバンドらしい,それ以外の情報があんまりないが,曲はなかなか良いと思う.

Musette - CouCou Anne

Musette というひとの Drape Me in Velvet というアルバムの一曲で,例えば amazon music で聞けるが,スウェーデン人であるらしいこと以外何者なのかについてはついぞわからない.柔らかい音で精神に良い感じがします.

番外: Finnish hip hop

Petri Nygård というひとの Tuhansien Lärvien Maa という曲が突然 youtube のおすすめに流れてきて,普段ヒップホップとか全然聴かないのだが独特の魅力がある…といいつつこの方は He has gained notoriety for his sexually explicit and misogynistic lyrics (enwp) という噂ですので若干アレなんだが,例えば Cheek というひとの Timantit on ikuisia を聴くにつけても,フィンランド語は音韻的に割とヒップホップと相性がいいのではという気配を感じています.とりあえず今年は非英語の曲も色々聴いてみたい.

そのほか

あと今年は新規に見つけたのではないが数年前に,キルミーベイベー経由で知った sunny car wash というのを経由して知ったPK shampoo とかもよく聴いていたと思う.あとはまちカドまぞく.あとは バンバーズ2 も今年の発売でした.みんな ざくざくアクターズをしましょう.

まとめ

こうしてみると,小さい頃から家にあった CD で Simon & Garfunkel と Peter, Paul and Mary が好きだったという好みが結構そのまま変わらねえなあという感じがしますね.今年もいい音楽に出会えますように.

(釉の)貫入についてしらべたこと

東洋陶磁美術館天目展 に行ってきた.前から行ってみたかったのだが,3年前の自分はもっと出不精だったし,最近はちょうど自分を誘う企画展に当たらずのびのびになっていたもの.企画展も常設展も大層よかった.あと大阪は思ったより近い.大阪は思ったより近い.

で,友人(もともと陶器に興味があったというわけでもなさそうなのに,話題に出たついでに巻き込まれてくれた,ありがたいことである)と,貫入とは,というか,貫入ってどうコントロールしうるのかみたいな話題がちらっと出て,調べたのの(まとまりない)メモ.図書館が中でゆっくり本を読むということができないのもあって,目についた論文とか報告をざっと見て並べるみたいな,まとまりの悪いのになりそうではある.

貫入とは

貫入 crazing っていうのは,焼き物の表面,釉薬のところにできる細かいひび割れのこと. 手元の広辞苑と精選日本国語大辞典はいずれも貫乳を主としていて,貫入のほか罅入(かにゅう)とも書かれる,とされる*1.ちょうどこんなのだ

f:id:lesguillemets:20200926184253j:plain
Daderot による.CC-0. See original
貫入: 釉薬に入る網の目状の細かいひび割れ
貫入.ひっくり返した σ みたいな割れが最初に入ったように見えて,そこは貫入と言っていいのか若干自信がない.写真は Tim Regan による,CC-BY. See flickr for the original image

英語の crazing はパターンになってない微細な欠陥も含めることもある*2ようで,単に glaze の crack pattern と称されることも多い.あと genuine craquellé という 用語も数カ所で見かけるのだがよくわからない.

貫入は味のある見どころとして評価の対象ともなる一方,焼き物の性質によっては審美的にもあまり歓迎されず(青磁とかそうなんだとおもう),また,瓦とかタイルとか,用途としてできるだけ回避したい焼き物も多く存在する. これのできる原理,どのようなコントロールが試みられているか,とか,そのへんのことを調べてみようと思います.

貫入のできる原理

基本的には,貫入は釉薬が下の素地に比して何らかの理由で収縮して,素地から引張張力を受け,これに耐えきれずひび割れが発生するもの.釉薬と素地の間の力については釉応力として様々な検討がされているが,例えば*3では貫入のあるもので10-500 kgf/cm2 と引張方向にあるのに対し,貫入のないものでは +200(引張)から -1100 (圧縮) kgf/cm2 の範囲にあり,後者でも引張方向の応力のあるものでは急冷等で貫入が発生したことを報告している.

最も重要かつ基本的なのは焼成後の冷却の際に釉薬と素地の熱膨張率の違い(釉のほうが熱膨張率が高い==冷却時により収縮する)によって割れが発生するもの.これは基本的には窯から出したときにすでにできているもので,焼成直後の冷却,5日程度ではさらなる釉にかかる収縮・応力の変化は殆どないとの報告*4がある一方で,Lahli 2015 (ibid.) を見ると焼成後数日-数週は微細な貫入が入っていくようだ.市井の anecdotal な言及にも,焼成後しばらく器から変な音がして不気味だった,というようなのが散見される. 罅はまず大きいものができてそれをつなぐ形で2次,3次の罅が入っていく,hierarchical なパターンになっていて,容易に想像できる通り自然界でよく見られる構造*5木構造を持った平面の分割としていい感じにモデル化できるという*6

貫入は階層的構造を持つ.
貫入は階層的構造を持つ.Lahlil et al. J Cul Herit 16, no. 4 (2015) より

熱膨張率差以外のより具体的な条件として,官窯・哥窯の焼き物をもとにした報告では,貫入は素地に対する釉薬の分厚さについて線形に細かくなり,ほかちょうどいい温度,酸化・還元炎の別等の影響が報告されている*7が,素地と釉薬の相互作用や相転移など関連する事象が多く,例えば釉応力と温度の関係だけでも複雑だったりして*8様々な素地・釉薬焼成の条件下に一般化できるシンプルな知見というのは難しいのだと思う.

逆に釉の熱膨張率が低くて発生する割れは shivering シバリングとか剥裂(稲田1978, ibid.) ないし釉飛び*9というようだが,貫入ほど一貫して用いられる用語ではなさそうに見える.

釉応力について

では実際この釉にはどんな応力がどのくらいかかっているのか? この案外直観的でない難題に対しては,いろいろな手法が試みられてきた.応力による変形から定量しようとするものでは,例えば円柱形の試料に施釉して焼成したのち釉の輪に切れ目を入れて収縮を測定するもの(Schurbcht-Pole のリング試験*10),概ねバイメタルの原理で測定するものなどなど*11. より洗練された方法として,応力に応じてガラスが複屈折性をもつ現象 (photoelasticity 光弾性) を用いるものが古くから試みられており,上で応力の測定値の例として上げた稲田1977 (ibid.) もこの系譜.

なお,ガラスはざっくりいうと引張より押しにだいぶ強いので,曲げ強度を上げるため強化ガラスと同様の原理で若干この圧縮応力を与えておくというのも知られていて*12,ほうろうの強度にもこの原理が働いているという*13. 類似で熱膨張率の異なる釉薬を重ねて強度を上げる提案もある*14

経年貫入

経年貫入 delayed crazing は,焼成直後の冷却によって生じる貫入(直接貫入 immediate crazing)と区別して,その後にじわっと発生するものののこと(大体年単位の話).ちなみに現物を確認できていないが,この分類は J. W. Mellor, ‘The Crazing and Peeling of Glazes’. Transactions of the Ceramic Society. Vol. XXXIV (1934). で提案されたものであるとのこと(用語としてはそれ以前からあったようだが). その原理は単に経年で…と思いきや,どうやら素地の吸湿吸水による膨張によるらしい.試料をオートクレーブ処理すること速やかに経年貫入への耐久性を評価することができ*15, (稲田1978, ibid.),これはJISなど各種規格でも採用されている. 素地と釉の適合を良くするとか色々のほか,素地の工夫も色々なされるようだ(例えばリサイクルも兼ねて古い瓦を砕いて混ぜて瓦を作るもの*16

余談の余談だが(そもそも記事全体が余談だけれども),タイルの貫入についてはむしろタイルを貼り付けるコンクリートの経時的な収縮でタイルが反ることが主因であるとの噂(素木1964, ibid.).

貫入を防ぐ

素地の膨張率は各種報告を眺めるとざっくり10-6-10-5/K のオーダのようだ. 上で色々関連する要素があると述べたが,それはともかく素地より若干低い熱膨張率を釉薬に持たせることができれば貫入耐性を上げることができ,色々な手段でこれが試みられてきた.組成を変えることが自明に試みられるけれど,どうやら釉をうまいこと結晶させるとか,いろいろな工夫があるっぽい.盲点というか,耐熱陶器は原理上当然熱膨張率がとても低い*17とか,そういう固有の事情も窺い知れる.とくに透明で光沢のある釉薬でこれを実現するのが結構難しいらしい.色々あって面白そうなのだが,だいぶ個別の話になってくるので一旦これでおいておきます.

きれいな貫入を作りたい

上記貫入の原理を踏まえれば,とりあえず原理的には釉薬の熱膨張率を上げればそれっぽくなるのでは?と思われる.

実際,素地と釉薬の熱膨張率の差のちょうどいい範囲というのがあり*18,その中で差が大きいと細かい貫入ができやすいとされ*19,実験的には古薩摩の細かい貫入を目標に,NaやKを増やした熱膨張率の高い釉薬で良好な結果を得られたという報告*20があるが,ここでは確実にある熱膨張率以外の要因については検討がほとんどされていない.

なおこの報告で微細な気泡が古薩摩の貫入の模様の複雑さを増すことに言及があり,上のLahli 2015 でも触れられているが,気泡も貫入や質感そのものを語る上で大事な要素.気泡は焼成過程で生地や釉薬から発生し,溶融時の釉薬の粘土が高いと残りやすいとされる(浅見1979 (ibid.)).

基本的には細かさベースの話が多く,パターンの発展を制御するみたいな話は見つからなかった.

パターンとしての貫入

貫入みたいなひび割れ模様をコンピュータ上で作る系の話題.色々あるが,見た中で面白そうだったのは

  • メッシュを作ってその中での応力テンソルをベースにしたモデル化で,板ガラスに衝撃を与えたもの,木材,乾いた泥等ひび割れをシミュレートするもの*21.陶器においては uniform shrinkage of the object を加えていい感じの作例を得られている.
  • 物体表面での cellular automata ベースのもの *22

参考文献

  • 浅見 薫.「陶磁器釉薬(うわぐすり) --- 特集 化学と文化財」.化学教育27巻1号,pp. 28-36. (1979). DOI: 10.20665/kagakukyouiku.27.1_28 は貫入に限らず釉薬の発色,模様のでき方など関連する情報がよくまとまっていて初学者にも読みやすく面白い.
  • 稲田博. (1978). 陶磁器素地と釉の適合性について. 窯業協會誌, 86(1000), 571-580. doi: 10.2109/jcersj1950.86.1000_571. 貫入の制御についてはこれを読んでおけば良さそう感がある

その他一緒に引っかかってきたもの

  • Casasola, R., Rincón, J.M. & Romero, M. Glass–ceramic glazes for ceramic tiles: a review. J Mater Sci 47, 553–582 (2012). doi: 10.1007/s10853-011-5981-y. 普通のガラスは構造的に amorphous だが,それを特定の条件でうまく加熱・冷却等して結晶化 (実際には結晶核のできる nucleation と結晶の成長)させることで得られる glass–ceramics というものが 1950 年台に発見され,これをタイルの釉薬として使って更に良好な物性を獲得しようという話.

見知らぬジャンルの文献色々読むの疲れるけど,だんだん脳内が整理されて新しいのを読みやすくなるのは特有の面白みがある.またしばらくしたら整理し直すかもしれない. 今回なぜかたまたま貫入を入り口にしてしまったが,釉薬周りでそれ以上に気になることは色々あるので,そっちもそのうち見てみようかな.

*1:貫入は少なくとも地学で使われる用語で,こちらからの類推で陶器についてもこちらの表記を見ることが多いのかもしれない

*2:N. Bao, X. Ran, Z. Wu, Y. Xue and K. Wang, "Design of inspection system of glaze defect on the surface of ceramic pot based on machine vision," 2017 IEEE 2nd Information Technology, Networking, Electronic and Automation Control Conference (ITNEC), Chengdu, 2017, pp. 1486-1492, doi: 10.1109/ITNEC.2017.8285043.

*3:稲田 博.「陶磁器食器の貫入現象と釉中応力との関係,及び釉応力の迅速測定法について」.窯業協会誌 85 [10], 487-496, 1977. doi: 10.2109/jcersj.108.1261_S81.

*4:Mattyasovszky‐Zsolnay, L. (1946), I. DELAYED THERMAL CONTRACTION AND CRAZING OF CERAMIC GLAZES. Journal of the American Ceramic Society, 29: 200-203. doi:10.1111/j.1151-2916.1946.tb11580.x.

*5:Bohn, S., S. Douady, and Y. Couder. "Four sided domains in hierarchical space dividing patterns." Physical review letters 94, no. 5 (2005): 054503. doi:10.1103/PhysRevLett.94.054503.

*6:Bohn, S., L. Pauchard, and Y. Couder. "Hierarchical crack pattern as formed by successive domain divisions." Physical Review E 71, no. 4 (2005): 046214. doi: 10.1103/PhysRevE.71.046214.

*7:Lahlil, Sophia, Jiming Xu, and Weidong Li. "Influence of manufacturing parameters on the crackling process of ancient Chinese glazed ceramics." Journal of Cultural Heritage 16, no. 4 (2015): 401-412. doi: 10.1016/j.culher.2014.10.003

*8:稲田博. (1978). 陶磁器素地と釉の適合性について. 窯業協會誌, 86(1000), 571-580. doi: 10.2109/jcersj1950.86.1000_571.

*9:尾崎 義治.「セラミックス改質」.材料,40巻457号, p.p. 1253-1263 (1991). doi: 10.2472/jsms.40.1253

*10:Schurbcht, H. G., and G. R. Pole. "METHOD OF MEASURING STRAINS BETWEEN GLAZES AND CERAMIC BODIES 1." Journal of the American Ceramic Society 13, no. 6 (1930): 369-369. doi: 10.1111/j.1151-2916.1930.tb16286.x.

*11:素木 洋一.「セラミック外論 (46)」 窯業協會誌 72(819), C113-C117, 1964. doi:10.2109/jcersj1950.72.819_C113. 稲田1978 (ibid.) も.

*12:尾崎1991 (ibid.) のほか,例えば小林雄一, 大平修, 大橋康男, & 加藤悦朗. (1990). 高強度磁器素地の曲げ強度に及ぼす施釉の効果. 日本セラミックス協会学術論文誌, 98(1137), 504-509. doi: 10.2109/jcersj.98.504.ほか土岐市陶磁器試験場・セラテクノ土岐の記事

*13:中村 正也.「ほうろうの話」.金属表面技術現場パンフレット,16巻2号 (1969). doi:10.4139/sfj1954.16.2_8

*14:堤靖幸.積層印刷技術を利用した機能性釉薬の研究.佐賀県窯業技術センター平成27年度研究報告書・支援事業報告書.URL, PDF, 2013年の先行報告

*15:Mills, R. G. "THE USE OF THE AUTOCLAVE IN TESTING CERAMIC PRODUCTS FOR RESISTANCE TO CRAZING 1." Journal of the American Ceramic Society 13, no. 12 (1930): 903-914. doi: 10.1111/j.1151-2916.1930.tb16255.x. '...with particular reference to that type of crazing known as "delayed"...'

*16:星幸二,榊原一彦,深澤正芳,山田義和.「廃棄瓦シャモットを主原料とした粘土瓦の開発」 愛知県産業技術研究所研究報告 5 (2006): 112-115. URL: http://www.aichi-inst.jp/tokoname/research/report/tokoname_2006_06.pdf.

*17:岡本康男.「耐熱陶器に対応した無貫入光沢釉の開発」 三重県工業研究所研究報告 38 (2014).

*18:Plesingerova, Beatrice, and Miriam Kovalcikova. "Influence of the thermal expansion mismatch between body and glaze on the crack density of glazed ceramics." Ceramics-Silikaty 47, no. 3 (2003): 100-107. URL: http://www.ceramics-silikaty.cz/index.php?page=cs_detail_doi&id=662.

*19:浅見 薫.「陶磁器釉薬(うわぐすり) --- 特集 化学と文化財」.化学教育27巻1号,pp. 28-36. (1979). DOI: 10.20665/kagakukyouiku.27.1_28

*20:桑原田聡,澤崎ひとみ,寺尾剛. 古薩摩の微細貫入釉薬に関する研究. 鹿児島県工業技術センター研究報告 16, 11-16 (2002), URL, PDF.

*21:Iben, Hayley N., and James F. O’brien. "Generating surface crack patterns." Graphical Models 71, no. 6 (2009): 198-208. doi: 10.1016/j.gmod.2008.12.005

*22:Gobron, Stéphane, and Norishige Chiba. "Crack pattern simulation based on 3D surface cellular automata." The Visual Computer 17, no. 5 (2001): 287-309. doi: 10.1007/s003710100099.

Manjaro インストール記

諸々あって Manjaro with xfce をインストールすることにしたので暫く先の自分用の設定メモ.システムの言語は en_GB で漢字とかは和文としていい感じに使えるようにしたい.

インストール

Windows を消し飛ばした.Secure boot を無効化するの最初忘れてたほかはほぼ安泰.これまで「たまたま(?)うまく行って自分は何もしなくてよかった」インストールしか経験したことがなく,毎回めちゃくちゃ不安になる.

時刻

日本時間を UTC だと勘違いしてまるまる9時間ずれていたので時刻合わせが必要.何故かグラフィカルな Manjaro Settings Manager というのの下に time and date の項目があり,そこで自動時刻合わせを on にして解決.ここの設定には root 権限が必要.

諸々の設定

  • 音声 → 全く認識されず, dummy output に出力してることになっているが,ググると類似の問題がいろいろ見つかるので調べたらなんとかなりそう.一旦放ってある
  • タッチパッド感度→グラフィカルに mouse and touchpad から.本体は多分 ~/.config/Mousepad/accels.scm にある (Scheme なんだ…) .
  • 起動時 Caps Lock を Ctrl に → 以前は xmodmap を startup に入れていたが setxkbmap -option "ctrl:nocaps" という便利なコマンドがある.これをグラフィカルな設定から起動時に走るようにしておくと,その本体は ~/.config/autostart/your_given_name.desktop にあって次のような感じだ.
[Desktop Entry]
Encoding=UTF-8
Version=0.9.4
Type=Application
Name=smash caps lock
Comment=smash caps lock
Exec=setxkbmap -option "ctrl:nocaps"
OnlyShowIn=XFCE;
RunHook=0
StartupNotify=false
Terminal=false
Hidden=false
  • Panel や Applet の設定→これもグラフィカルにポチポチやるのが正当でしょう.~/.config/xfce4/panel/**.rc にいろいろ設定が置いてあるようす.日付時計に %j を加えておくのが自分の趣味.
  • Workspace → グラフィカルな Workspaces という設定ツールから数を決められる…のだけど,行の数はなんと panel に出現する switcher の設定による必要があるようだ.
  • ショートカット→今の所 manjaro 既定のは割と使いやすそうだが,追加で Super+Left/Right で左/右半分に最大化,Super + Up で最大化,Ctrl+Alt+t ははじめドロップダウンターミナルに割り当てられているのでこれは F12 にして代わりに普通のターミナルが起動するようにする.デスクトップ機では更にSuper+Insert で左上,Super + PageUp で右上 (これ を見て納得してくれ)のように割り当ててて,よっぽど広いディスプレイでもなければ tiling WM の必要性をあまり感じないのだ.

全般に ~/.config/xfce4/xfconf/xfce-perchannel-xml/ にいろいろ設定があるので覗くと良さそう.

アップデート

$ sudo pacman -Syu --- でいいんだけど,初回の sudo って メッセージが出る んでしたね.懐かしい気分だ.

大事なソフトのインストール

Manjaro がもとにしてる Arch は Debian 系とちがって lib***-dev みたいなパッケージがない, 逆にいえばデフォルトで python3 が入ってるなら libpython3-dev のインストールは要らないし…というわけで,確かにいろいろシンプルではある.

Vim

試してみたら僕の普段使ってる feature=huge gui=gtk3 +luajit +python3 には追加のパッケージは不要だった(先に fcitx-gtk3 を入れたのでそこで入った何かはあったかも).ビルドの方法については Vim-jp が参考になる.dotfiles はレポジトリで管理してるのでそのまま.

├ Rust

今のところは curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh が推奨されている.nightly にして,あとは clippy, rustfmt, rust language server (rls)rust-analyzer , いろいろ便利なcargo-update, ひょっとして evcxr あたりを入れましょう.最近 clippy は最初から入ってるのかな…

$ rustup component add rust-src
$ rustup component add clippy # up to date!
$ rustup component add rustfmt
$ rustup component add rls rust-analysis 
$ cargo install cargo-update

Haskell

諸々富豪的過ぎて最近 Haskell の環境設定のやる気がでないのだがghc-mod が動くバージョンでは megaparsec の 1.* 系しか動かなかったとか,ghc-mod が先に deprecated になったタイミングで hie (Haskell IDE engine) がもりもりメモリリークしてた印象も大きい: これはもう解決したはず)vim の plugin manager を Haskell 製の miv に依存しているので stack だけでも入れておきましょう.なぜ miv を使っているかというと設計が neobundle を使っていたときにこういう方式で良くない?と空想してたのそのものでめっちゃきれいだからです.閑話休題gcc, make, libffi, zlib, ncurses, どれももとから入ってるので大丈夫そうです.

├ texlive

これも富豪的で,10GB 単位で平気で食っていく上に最新を使おうとするなら年ごとに分けてインストールしかない,割に界隈で10年前のやつでも別に動くけど…みたいな雰囲気がある(パッケージレベルではバグが潰れてたりして案外最新版を使いたいことがある).せっかく Arch 系統だしそう古くないことを期待してパッケージマネージャに任せましょう.sudo pacman -Syu texlive-most texlive-lang. 現実問題としてじゃあ自分でキリル文字を組むのかという話があるが,こういうのはいざやりたくなったときに思考が邪魔されないのが大事. あとは biber は別パッケージ,Ubuntu とか Fira とか使うフォントも別にインストールしよう.

├ そのほか

夜中一人で電気を消した部屋で画面の明るさが真っ暗でも眩しすぎもないところを押したい…ので xbacklight を入れる. xbacklight --get で現在の輝度(0-100), xbcklight --set n で設定できる

設定

bash

LANG とかは下の日本語入力の設定で .xprofile に書いてあるのでそのへん含めてぱっとは

alias ls="ls --color=auto"
alias ll="ls -alF --color=auto"
alias v=vim
alias vi='vim -u NONE -U NONE -N -c "set number sehowcmd showmode"'
alias ghc="stack ghc --"
alias ghci="stack ghci --"

export XMODIFIER="@im=fcitx"
export GTK_IM_MODULE="fcitx"
export QT_IM_MODULE="fcitx"

export PATH="$HOME/.cargo/bin:$PATH"
export EDITOR=vim

HISTCONTROL=ignoreboth
HISTSIZE=10000
HISTFILESIZE=40000

set -o noclobber

export CFG_RELEASE_CHANNEL="nightly"
export CFG_RELEASE="nightly"

くらいですかねえ.

git

git config --global -e

ssh

bitbucket とかで使いがち.このへんを参考にしよう.

日本語入力

個人的には,物理的には日本語配列のキーボードを,ソフトウェア的には US 配列で扱って,その上で日本語入力を動かすのがお気に入り(業が深い).もとは Ctrl + Space で切り替えてたけど,HHKB を職場の端末で使うようになってからは変換キーで on/off することも増えた.

ともあれ,fcitx + mozc に慣れているので,詳細に見るなら Fcitx --- ArchWiki だけど,実際のところは 日本語の設定 --- ArchWiki の通りにやればそれでうまく行ってしまう.再起動後,fcitx のメニューから Mozc を追加して,その後 Mozc の preference でキー設定とかをいじってやれば良い.だいぶ前に Ubuntu で苦労したときよりずっと楽な気がするけど,あのときは多分 ibus-mozc からの移行とかいろいろあったんだと思う.インストールは fcitx-gtk3 fcitx-mozc fcitx-configtool あたり.

日本語フォント

諸々のデフォルトとか fallback を fontconfig 系で設定すればいい…のだけどほころびを見つけては治す作業になりそう.中日の二ヶ国語使いとかここの設定で発狂したりしないんだろうか.

Firefox については,例えば Noto 系で揃えるなら,フォント設定→デフォルトを Noto Sans JP, 言語→日本語 で Noto-* に設定した上で,Langauge → Choose your preferred language for displaying pages で,僕の場合上から en-gb, en, ja の3つに設定するといい感じになる.形としては IPA Gothic が未だに好きなんだけど,ウェイトが多いのは Noto の利点ですよね.

とりあえずはこんなもんだろうか.細かい追加があれば編集するし,もっと面白い話があれば新しい記事にすると思う.全般に Ubuntu に比べて,自分でなにかビルドするときに依存を集めてくるのが楽(…というか,別に ubuntu で面倒ということはないんだけど,こっちだと気がついたら入ってる)な感触はあるかもしれません.